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ヤプーズの不審な行動 - ヤプーズ

戸川純という人は、いくらその人の作り出すものがものすごくてもやっぱりちょっと友達になれそうにないなあ、なんて人の典型例のような気がする。

・・・そんなわけで今日はライブ盤「ヤプーズの不審な行動」。

ヤプーズの不審な行動

ヤプーズとしての代表曲がしっかり入っていて、特に「蛹化の女」から「赤い戦車」あたりの流れなんて感涙もの。買って損なしの一枚。

ライブ盤とスタジオ盤どちらがよいかなんて一概には言えないけれど、とりあえずヤプーズに関しては確実にこのライブ盤のほうが一枚上手だと言えるんじゃないだろうか。戸川純の歌唱力というのは一般的な「歌の上手さ」ではなくその変幻自在さにあると思うんだが、それがライブ盤であるからこその赤裸々さで迫ってくるのだ。
絶叫*1だったりロリータ・ヴォイスだったりはたまたものすごい声量で歌い上げられたりと本当に目まぐるしい。もちろんこんな過激な変化だけじゃなく、もっと小さな波のような変化を聴くこともできることも忘れちゃいけない。
こういう歌い方をするひとってのはちょっと他に見たことがないし、これほど感情に訴えかけてくるように「変化」を歌っている人もいないように思える。


それにしてもこの人は、「玉姫様」を例に挙げるまでもなく、ほんとうに女性にしか書けない歌詞を書く人だ。こういった類の狂気って、男にはちょっとない。
例えば同じストーカーというか過剰そして逸脱した愛情という側面を見てみても、阿部和重の「トライアングルズ」に代表できるような男性のそういった心理とは全く次元が違う。「過剰な感情に出会ったときに選択する行動を想像する」という段階において、戸川純は全く違う反応のあり方を示しているのだ。
無情の世界 (新潮文庫)

*1:こっちまで痛くなってしまうんじゃないかというくらいだ!