アンドロイドは電気羊の夢を見るか? - フィリップ・K・ディック

さっき読み終わった。
いつもは数冊本を鞄に入れて持ち出さなければ落ち着かない性分*1にもかかわらず珍しく手ぶらで出かけた今日に限って、待ち合わせた友人が2時間も遅れるなんて言い出したので、つい買ってしまいました。いつか買おういつか買おうと思いながら、「でもまだ読んでない本が家にいっぱいあるんだから!」と我慢し通してきたこの一冊、つい買ってしまいました。膨大な欲しい本リストの中から特にこれを選んだ理由は「待ってる2時間のうちになんとか読めるんじゃね?」という自分の読書速度への過信からです。結局1時間半で済んだ待ち時間では半分ほどしか読み進められず、その友人と別れた後に喫茶店でもう4分の1、帰宅してからもう4分の1読みました。

せっかく一日で一気に読み切ったのだから、読後のドキドキが冷めないうちに何か感想を書いてみたいと思います。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))


「タイタンの妖女」を読んだときにも思ったし、たしか他のいくつかの有名なSF作品を読んだときにもやはり同じことを感じた覚えがあるのだけれど、前半では空想科学少年にはたまらない世界観を組み立て、時にいかにもガイコクジンらしい*2ユーモアらしきものを挟みつつゆっくりとストーリーが進む一方で、後半になって一気に物語が収束していく時の、その体感速度が半端じゃない。
以前「映画を見ているとバカになれるんだ」みたいなことを書いたことがあるのですが、ここにもやはり物語の世界に読者を没入させる強い力があって、それが僕を見事にバカにしてくれました。生物と非生物とのあいだに、そしてアンドロイドとして生きることと人間として生きることのあいだにあるゆらぎ、ってのを現実味のあるものとして受け入れることができたというわけです。

とりあえずそんなところで。

*1:鞄がぱんぱんになってしまうまで本をつめこんでしまい、見た目非常にかっこわるい。

*2:としか言いようがない!