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降り始めた雨のなか,アスファルトのにおいのお話.

何か鮮明な記憶を呼び覚ますようなにおいかといえば,決してそんなものではない.それでもここには,漠然とした,街というものへの(僕の個人的な)あこがれが集約されているようにおもう.
この埃っぽいにおいには,自然な心地よさというものが全く欠けていて,そのくせそれらよりもずっとシンプルに,僕の皮膚の裏側を絶妙なしぐさで撫で擦ってくる.
このにおいって世界共通なのだろうか.モスクワではどうですか?リオデジャネイロではどうですか?バルセロナではどうですか?雨はやっぱり,アスファルトのうえに降っていますか?


ああでも,雨といえば.
視覚的にいえば,田んぼに降る雨が最高に好きなんだよな.まだ青い稲のあいだにたつ鳥肌のような雨の足たちが.
そして蛙が我が物顔で鳴きだすのだ.


もうすぐ梅雨ですね.