愛を受止めて

-「ティッシュの塊」聴きました。あなたが初期衝動をいつまでも忘れない、世界でも希有なアーティストであることを再確認しましたよ。

M:それは嬉しいね。

-まずはアルバム「愛の終わり」、そして音楽性の違いによるメンバーの脱退という試練を経て、その後の沈黙のあいだ、あなたがいったい何をしていたのかということからお聞きしたいと思っています。

M:それについて語るのはすごく難しいんだけど・・・そうだな、言うなれば・・・オナニーをしていたね。それもすごく激しいやつを。

-どうして?

M:悔しくて、さ。悔しくて毎日オナニーをしたんだよ。僕一人で、たった一人で一体何ができるんだろうとずっと考えながら。ネガティブな感情をすべてちんこに擦りつけてたんだ、そりゃあ激しくもなるよね(笑) そしてある日気がついた。僕にはもうこれ(オナニー)しかないんだってことにね。晴れ晴れとした気持ちになったのを覚えているよ。それからはもう、一瞬だったな。

-なるほど。そんなきっかけがあったんですね。じゃあ今回のアルバム制作プロセスについてなんですが、どうしてこんなに絨毯をかぴかぴにさせるようなアルバムにしようと思い立ったんですか?

M:そうだな・・・僕がまず考えたのは、はじめからティッシュをかぶせておくか、それとも直前にかぶせるかのどちらかにしようってことだったんだ。常識的なアーティストならみんなそうするよ、あのころの僕だって例外じゃなかった。でもね、今回は違った。だって、その既成概念を破壊するのが本来のロックンロールの役目じゃないか?

-かっこいい!だから、「出してから絨毯を拭く」という選択をしたんですね。

M:そうなんだ。君が最初に言っていたとおり、初期衝動を思い出したんだね。

-ファンからしてみれば、出た後しばらくしてから滲み出てくるアレをどうしたかというところが知りたいんじゃないかと思うんですが・・・

M:いい質問だね!

-あなたを最も愛する者の代表としてこのインタビューをさせてもらってるわけですからね。当然です。

M:(笑)そのことなんだけど、そうだな、出るに任せていた、という感じだね。

-とすると・・・パンツや毛についてしまいませんか?

M:いいんじゃないかと思うよ。その匂いとともに次の日一日を生きていく覚悟をするわけだろう?最高にロックンロールだと思わないか?。