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九・二五革命闘争

午前4時。神社へとつづく参道を左に曲がればそこはもう大学の構内。目の前には端正に剪定されたおおきな楠がそびえ立っている。

よし、ミッション開始だ。人の気配のないことを確認したら、根元まですばやく移動。ここで自転車が通り過ぎても慌てないように、彼らは君のことなんかこれっぽっちも気にかけちゃいない。もう一度まわりを見たらば、一気に登れ。おっさんになり果てた今だって、二本の腕で身体を持ち上げるくらいの力は残っているだろう?


木の股で一息ついたところでミッションの第一段階は終了。このころにはもう君の中で図々しさのようなものが芽生えているはずだ。さあ、第二段階へと移行、さらに上へと登るんだ。ゆっくりと、着実に。もう見つかる心配はしなくていい。高ければ高いほど達成感も大きい。さあ登れ、登れ、登れ、登れ。

登ったか?よし。枝から手を離し、両足だけで立ち上がってみろ。無理をする必要はない、ほんのすこしの移動で安定した立ち位置が得られるはずだ。落ち着いて君のベストポジションを発見してほしい。


さて、ついにミッションは最終段階に突入する。両手を自由にし、まずは深呼吸だ。ここからは自分との戦い、はやる気持ちは理解できるが、ここまで来て落ち着きをうしないついに失敗した奴らを僕は何人も見てきた。君はそんな愚か者ではないだろう? よし。もう一度深呼吸だ。

深夜の澄み渡った空気と一体になったなら、いよいよだ。股間のジッパーを下げるんだ。そう、ゆっくりと、自信を持って。堂々と。


ペニスを取り出し、風を感じろ。もうなにも怖いものはない。思うぞんぶん放尿せよ。


―― 放尿タイム ――


・・・これにてめでたくミッション・コンプリート。長居は無用、さっさと立ち去るがいい。ただひとつ、お前らなんかよりこの俺の方がずっとずうっとすごいんだ、この俺に敵う者なんて誰一人いやしないんだと感じたその気持ちだけは、それだけはいつまでも忘れずに持ち続けてほしい。

健闘を祈る。