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たまには昔の話を、忘れもしない高校一年の春のことを

僕の高校生活は、上々とはいえないかたちではじまった。4月のいちばん最初の自己紹介で緊張しすぎて言わなくてもいいこと*1を口走ってしまった僕は、ちょっと変な人ですね、なんて好意的とは言えない視線を浴びることになった上に、宿泊研修でのクラス発表が劇ということに決まったときには、誰もやりたがらない役*2を仰せつかる羽目になってしまったのだ。

あまり思い出したくないのだから当然詳細は省略、今回の話に必要な点だけをまとめるとこういうことになる。「そのクラス発表でも、おとなしくしてりゃいいものを、やはり緊張のために一人で暴走してしまった*3結果、他クラスからは完全にヒかれ、高校デビューがすっかり失敗した次の日に、自分でもちょっと信じられなかったんだけれど、僕のことを好きだという女の子が現れた」。もう一度言おう、「僕のことを好きだという女の子が現れた」のだ。そばかすが印象的な、わりと元気めな感じの子だった。それが、同じクラスの、Kさん。

どうなったか

まあ、付き合うことになった。(電話での告白でした)

あれから何年も経った今から考えてみれば「いいよ」と言った自分の気持ちがどうだったかなんてほとんど覚えていない。好みのタイプではなかったし中学校のころからの女友達の差し金ではあったけれど、彼女とまともに呼べる人ができたのが初めてだったものだから、付き合うことになったというその事実だけで、その子のことが好きになった、それくらいのことしか覚えていない。それだけ覚えてりゃ十分か。

ともかく、後で説明するとおりものっすごく短い期間で終わってしまった恋だったけれど、付き合うことがどういうことかなんてよく分からないなりにがんばっていたとはおもう。いやもちろん、今だってそれが分かってるとか主張するつもりはさらさらない。ないんだけど、少なくとも今よりも、知ったかぶり、みたいなものはなかったはずだ。それまで当たり前だと馬鹿にしてきた「相手の気持ちになって考える」って言葉がやけにリアリティを持って現れてきたことは覚えている。

どうなったか

まあ、デートすることになった。(僕から言い出したんだと思う)

インターネット時代の幕開けに知識と妄想ばかりが膨れあがった男子高校生が我がすばらしい田舎町に興味を示すはずもなく、相手への想いを過剰に乗せたメールでの数回のやりとりのあと、電車で90分のショッピングセンター(そうなんだよな、結局ショッピングセンターなんだよな!)へ行くということに話がまとまった。

もちろん前日は、体中を丹念に洗った。万が一ということがあってはいけないからだ・・・

(つづく)

*1:あまり思い出したくない

*2:あまり思い出したくない

*3:未だにこれが治らない