いちばんいいのは、ひとりぼっちだとしても、まったくのひとりぼっちではないということだ。

こんにちはみなさん、おのぼりさんのムラシット先生です、今日も自分語りします!

このあたりのお話関連。いずれもすごく面白いから、僕の日記なんて読んでる暇があったらこちらを読んでください!
http://d.hatena.ne.jp/nakamurabashi/20090506/1241560453
http://d.hatena.ne.jp/andre1977/20090507#p3
http://d.hatena.ne.jp/goldhead/20090508#p1
でも僕の日記も読んで欲しいの!


というわけで東京コンプレックスについて。前知識として知っていていただけると助かるのは、僕が岡山のそれも県北、つまりド田舎に18年間住んでいたこと、でもって大学で京都に出てきて、大学院で東京にいるってことくらいです。


…で。

はてななんかでグダグダやっているみなさんのことですから、当然僕と同じように鬱屈した中学生活、高校生活を送っていらしたことと思います。そして、そんな高校生の考えることといったらとうぜん決まっているわけで、「ここからはやくにげだしたい!」だったに違いありませんよね*1。で、そんな人間の唯一の逃げ場はなんだったか。そんなものは人それぞれなんでしょうが、すくなくとも僕のようなド田舎の中学生/高校生にとっては、まだ見ぬ都会への憧れであり、そこへ接続するためのインターネットでありました。


音楽の話をしても文学の話をしても、例のU君くらいしか話の合う人がおらず、ライブにも行けないし市内にまともな本屋なんて一軒もない。そんな状況で「都会」に憧れるなという方が無理があったんですよ。「都会に出ればでっけえ本屋がある!」「都会に出ればクラブで踊り狂える!」「都会に出れば話の合う友達がバンバンできる!」「都会に出ればセックスしほうだい!」

まあ都会に出たからといってセックスしほうだいなわけないんですが……仕方ないだろ!思春期の盛りなんだから!俺のちんこ以外の部分は田舎の粘度の高い空気にとらわれてるけど、俺のちんこだけはインターネットをつうじて都会へつながっている!みたいな気分ですね。かぴかぴしたティッシュのイカ臭い香ばしさの充満するぬらりとした膜のなかに風穴を開けてくれたのは、ほかでもないインターネットでした。


…ともかく、そんなことを考えながら、僕はインターネットを通じて都会の人に負けないように文化を吸収してやる!なんて意気込んでいたわけです。東京にいる奴らはたったこれくらいのこと知るためになんの努力も要らないんだろうなあ、などと怨念を発しながら。東京や大阪といった大都市に2時間以内(あるいは、1000円以内、とか?)で行ける場所に住んでいた人には理解しづらい話なのではないかと思いますが、ほんとうに情報への渇望がひどかった。


だもんだから、僕は自分の中高の友達が地元に居続けたいと考えていることが全く信じられませんでした。なんで?つまんないじゃんか?地元志向、つまり、おそらくは広義のヤンキー的性質と言ってもいいのかもしれませんが、それが全くもって理解できなかったんです。なんで?友達がいるから?えー?それより文化だろ!そう思ってた*2


でも…だからこそ僕は勉強ばかりしていました。都会へ出るってことを周りに納得させるためには、都会にある名の知れた大学に入るってのが最良の方法に思えたから。本を読むのが好きだったり勉強するのが好きだったりするだけならそんなもの別にどこだってできるから、そんなものは結局直接の理由にはなりません。都会に出て街の空気を体験したかったからこそ勉強したんだし、従ってもとから都市郊外あたりに住んでいたなら、わざわざ大学受験なんてクソ面倒なことせずにさっさと就職していたにちがいないと思っています。


だから、「田舎で暮らしたい!」とか「インターネットのおかげで(情報の面で)世界はフラットになったよ!」と言ってる人を見ると、すこしだけ意地悪な気持ちになってしまうのです。ほんとかよ?あの不便さを我慢できるのかよ?あの娯楽のなさを我慢できるのかよ?情報や、文化を下敷きにした人との繋がりをどんだけ能動的にやっていかなきゃならないのか知ってるのかよ?とか。


…まあ、まだ若い盛り*3からこんなこと言えるのでしょう。もうすこし年をとったら、見方も変わってきてくるんじゃないだろうかと期待と不安が混じり合った気持ちでいます。…でもまあ、今だって、田舎に帰るとほっとしてしまう。そんな心の根っこが大嫌いなんだけど、それでもやはり、ほっとしてしまう。なんだろな。畜生。

*1:そんな暗い子供時代じゃなかっただなんて言わないでください!インターネットの中でくらい夢を見させてくださいよ…!

*2:いやすいません、正直言うともちろん、仲良さそうにしている人たちを見てねたんでそがんでひがんでいたところもかなりある!そりゃあそうです。でもそれはまた別のときにお話ししましょう…

*3:自分で言うことじゃない