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宇宙賃貸サルガッ荘 - TAGRO

夏ですね!すべては地球のメカニズムから!(この文言、一月前に書いたものなんですが、意味が分かりませんね)今日はTAGRO先生のこの漫画。


宇宙賃貸サルガッ荘(1) (KCデラックス)宇宙賃貸サルガッ荘(2) (KCデラックス)宇宙賃貸サルガッ荘(3) (KCデラックス)宇宙賃貸サルガッ荘(4)<完> (KCデラックス)


タイトルからしてスペオペ×めぞん一刻なんだなと分かってもらえるとは思いますが、うん、そんなに間違ってない。最初のほうのあらすじくらい、ちょっと説明してみてもいいですよね、というかそこはWikipediaから持ってくるのが経済的なので以下引用します。

主人公テルは汎銀河軍の宇宙戦闘機パイロットだったが、都市伝説と思われていた一度入ったら二度と出られないサルガッソー(宇宙船の墓場)に遭難し、魔女と名乗るメウに助けられる。メウと「テルの曽祖父」の過去の証言を総合すると、「テルの曽祖父(=アル)」は一度はサルガッソーに遭難するも、自力で元の宇宙に戻れたということが分かり、テルのサルガッソー脱出計画が始まる。

分かりやすいあらすじだ。僕にはこんなに分かりやすいあらすじを書く自信がない。それはそうと、ともかくそういう感じで話がはじまります。そのサルガッソーにあったのが、安普請なアパート、沙流我荘(「さるがそう」と読みましょう)、という。ほら、スペオペ×めぞん一刻やん。アパートものだとなんでもめぞん一刻に見えるし、今回これを書くために久々にめぞん一刻読み直しました。……そう、だから、当然宇宙人情活劇になる。管理人さんは過去の男のこと見てる。ただ主人公は管理人さんを最初からは好きじゃないってところは違うのだけど。


個人的に何が嬉しいって、ちゃらんぽらんな中にも足腰のしっかりしたSF設定が見え隠れして、ああこの人そういうの好きなんだなってのがよくわかること、ツボを突いてくることなんですが、まあそれはいいです。それはいいですと言いつつもいちおう説明すると、そもそも汎銀河軍の兵士が主人公だしその戦闘機にはAIが積まれてて人格さえ持ちはじめるしマッドサイエンティストや奇天烈な植物が出てきたり氷塊や水産試験船や敵性生物(実はそうでもないんだけど)や故郷の社会体系についての細かな設定がさっくり説明され、活かさてるし、その他もろもろ、それだけで欲しくなる人はいるはずで、そこにふざけたように魔法が絡んでくる感じ、ピンときたら買って損はないです。すくなくとも僕はかなりグッときた。


んでまあ、基本的にはコメディです。そこでヒロインであるメウの、魔女の原罪のうちに囚われた過去と記憶を、すこしずつときほぐしてく。外伝的なところで各登場人物の過去についても明かされてく。それでも明るさを忘れない。このへんの話は『ヴォイニッチホテル』の感想*1のときにも書いたけれど、三文ドラマにしてもサイエンスフィクションにしても、ベタなものをとっぴで箱庭なドタバタのなかに落とし込んでくれる。そう考えるとラブコメの王道と言っていいのかもしれません。あ!だから僕これ好きなんだ!いまやっと分かったわ。

そういえば、かならずしもラブコメじゃないんですけど、箱庭って意味では同じTAGRO先生の『変ゼミ』もそうなんですよね。あれがただの変態生理ゼミナールだと思ったら大間違いですからね。なんだろう、「おひっこし」や「げんしけん」や「ネムルバカ」とかもそうなんだけど、大学生のあの微妙な生活観をもって僕のことをビンビンに寂しくしてくれた『変ゼミ』とおなじなんです。

妙な生活感。いやこれは全然大学生なんかじゃないんだけど、閉じた、妙な生活感。そういうものを描けているのって、実はちょっと珍しくて、でもそれは、普遍的なことのはず。みんなだってそのなかに、おかしみがあって、救いもあるんですよ。


やっぱ俺も箱庭的ラブコメ世界に生まれ落ちたかったわァ!!

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