ピンチョンの新作の話

"Bleeding Edge"というタイトルらしいピンチョンの新作。

http://www.amazon.co.jp/Bleeding-Edge-Thomas-Pynchon/dp/1594204233/

なんだか日本語でまともな情報がないので、Amazonの簡単な紹介を適当に訳したものを置いておきます(ガシガシ突っ込んでいただければ幸甚です)。

2001年のニューヨーク、ドットコムバブルの崩壊と911の悲劇の狭間の凪。ゴーストタウンと化したシリコンアレー。Web 1.0は思春期の苦悩のただ中にいて、Googleの株式公開はまだ先、マイクロソフトが依然として悪の帝国と見做されていたころ。動く金はかつてと比べものにはならずとも、残りものをかき集めようとする詐欺師どもには事欠かなかった。

マキシン・ターノウは、アッパーウェストサイドでちょっとした投資詐欺の真っ最中、畑違いの小物ペテン師を追い掛けている。合法だったころもあったけれど、いまじゃ彼女のライセンスは剥奪された。だけど本当のところ、そのほうがありがたかったんだろう。いまや自らの倫理規定だけに忠実でいればいいんだから——ベレッタを携え、ならず者と取引し、銀行口座をハックする——そんなことに罪悪感を覚えずにいられるんだから。それを除けば、マキシンは平均的な——小学生の二人の息子、前夫といえなくもないホルストとの時折の交流、ご近所さんのなかでもこれ以上ないほどまっとうな——ワーキングマザーだ。とはいえそれも、コンピュータセキュリティ会社のファイナンスと、そのCEOである億万長者のギークについて調査しはじめるまでのこと——たちまち彼女は、地下鉄の雑踏、ダウンタウンの深みへとハマっていく。アールデコ調のモーターボートに乗ったヤクの売人。ヒトラーの髭剃りあとに取り憑かれた密告屋。靴擦れに悩む新自由主義者の用心棒に、ロシアンマフィアたち。ブロガー、ハッカー、IT土方に起業家。なかにはミステリアスな死にざまを曝す奴さえいて——そりゃもちろん、殺られたってことだ。

アンダーグラウンドWebへの小旅行をきっかけに、ピンチョンはロングアイランドという土地を通じて、内なるユダヤ人の母と交感しながら、インターネット黎明期のニューヨークを舞台とした大河ロマンスへと物語を導いてゆく。さして昔の話でもないはずだったのに、宇宙的な高みへと連れ去られてしまう。

法の網を掻い潜る真犯人は明かされるのか?マキシンはハンドバッグから銃を取り出さなきゃならないのか?マキシンとホルストは元の鞘に戻れるんだろうか?ジェリー・サインフェルドは予定外の客演を果たすのか?俗悪と業は清算されるんだろうか?

なあ。誰が知りたがってんだ?

何言ってるかマジで分からないんですが(何度も言うけどマジで英語苦手なんですって)、ついにピンチョンがインターネットの話をしてくれることだけは理解できました。

今日はそんなところです。