彼は運動場の隅にひとり、立っていた。さいきん黒くかたくなり始めたすね毛は、脚の細さを、白さを、よけいに際だたせていた。目の前には鉄棒があり、ずっと後ろでは校舎の窓が夕日をはねかえらせていた。鉄棒を掴む、すべすべとした感触がてのひらをなぞる…
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