音楽

Bells / Lonely Woman - Otomo Yoshihide New Jazz Trio+

というわけで、なんだかんだで大友良英ニュー・ジャズ・トリオ+の『Bells』および『Lonely Woman』を買ってしまいました。それぞれオーネットとアイラーの曲をフィーチャーしたこの二枚。 紺野さんの記事(http://d.hatena.ne.jp/Geheimagent/20101204/p2)を…

Sun Ra 70枚くらい聴き倒し(2)

こういうのははじめの勢いのあるうちにやってしまうに限ります。 ※第1回はこちら。→http://d.hatena.ne.jp/murashit/20081011#1223756744 4枚目:Angels and Demons at Play 1956-1960。好きなジャケ。名義はSun Ra and his Myth Science Arkestra。 A面4曲…

Sun Ra 70枚くらい聴き倒し(1)

ちょっと前にやってたなんかあの、サン・ラでジャズをどうこうって話も早々に破綻してしまいましたが(やっぱり!)、それでもやはり世にサン・ラを広めねばならないという使命のもと、我が家に眠る彼の作品(70枚くらい)を年代順に紹介していくことにいた…

ゴルトベルク変奏曲

そういや映画の中でやけに印象的に使われていたゴルトベルク変奏曲。 Wikipediaにもあるとおりカイザーリンク伯爵の不眠症を癒すために書いたとかいう逸話が有名なんだけれども、いやこれ、どう考えても眠れない曲だよなあ。 こんなん聴かされて眠れるか?ど…

Sun Raによるジャズ史試論 第1回

というわけでやってきました、第1回。今回はサン・ラとモダン・ジャズ、その双方の生い立ちについて辿っていきたいと考えています。 出生 歴史というからには、まずはその始まりを定義しなければなりません。前回も少しだけ触れたとおり、サン・ラは自らを土…

Sun Raによるジャズ史試論 第0回

あなたはサン・ラを知っているだろうか?土星からやってきたと公言し、僕たちの知らないあらゆる音楽を演奏し、そして土星へと帰っていったひとりのミュージシャンのことを。モダンジャズの歴史はマイルスとともにあった、なんてのはよく聞く話だし、僕だっ…

FAN - group_inou

たまには毛色の違うものを. どうやら局所的には話題であるらしいエレクトロ・ヒップホップ・ユニット.僕はたまたま梅田のタワレコに行ったときに知ったのですが,試聴して「これは!」と思い即購入.音色にしてもアレンジにしてもチープなつくりで,昔のエ…

The Survivor's Suite - Keith Jarret

キースのアメリカン・カルテットからの1枚.アメリカン・カルテットといえばなぜか「生と死の幻想」ばかりが有名で,この「残氓」があまり取り上げられないってことが僕には不思議でならないのです.「残氓」における沈痛ともいえる重苦しさとそこからの解放…

管弦楽のため変奏曲 - アルノルト・シェーンベルク

12音技法*1という「技法」にだけ注目するなら,いったいどうしてシェーンベルクがこんなものをクソ真面目に考えて苦労したのかぜんぜん分からないんですよ.こねくりまわしてこねくりまわして遊ぶための低俗なルールみたいなものを. しかしそれを使ってじっさ…

The Return Of The Durutti Column - Durutti Column

マンチェスターの熱狂のイメージからはやや離れた、静かで軽やかなこの雰囲気。冷たくて明るい太陽のような一枚。 というわけで、どうしてだか同時代のFactory勢の中ではいまいち名前を聞くことが少ないバンドではある。少なくとも僕の周りでは、これを紹介…

花旗 - Date Course Pentagon Royal Garden

たった一度しかライブを見たことがないけれど、たぶんいまのところ、世界でいちばんすきなバンドであろうところのデートコース*1。こんなことを堂々と言うのは恥ずかしいものですね。 なぜまたそんなに思い入れがあるかって、ひとつには、僕がジャズってもん…

シンフォニア・タプカーラ - 伊福部昭

ナクソスの日本作曲家選輯シリーズがすごく安い。他にも芥川也寸志とか松平頼則とか黛敏郎とかもちろん武満徹とかいろいろ出ているし、内容も他ではあまり聴けなさそうなものばかりなのでつい何かのついでにと買ってしまう。今アマゾンで調べてみたらかなり…

鬱と躁 - 野坂昭如

昭和歌謡。昭和歌謡ってものをまともに聞いたことなんてないけれど、これはいわゆる昭和歌謡以外の何者でもないでしょ。「火垂るの墓」の、「東京小説」の、「エロ事師たち」の、野坂昭如先生によるこの一枚。僕にとっての「出会い」ってのはたいてい、その…

Live At The Lighthouse - Grant Green

まずもってひどいジャケット。これがあのブルーノートだと言ったらなおさらだ。顔in顔。 実際その中身も、グラント・グリーンの静謐なイメージからはそりゃあもうかけ離れまくった、「これ誰?」みたいな一枚。そうかこういうのをレアグルーヴっていうんです…

Revolutionary Pekinese Opera Version 1.28 - Ground Zero

Sachiko.Mの愉快犯的*1なサンプリングが印象にのこるこの1枚。いきなりだけど、「こういうこと言う人にむずむずしてしまう」という言葉がいくつかある。こんなこと公にするのは自分が嫌味なちいちゃい人間だってことを見せびらかしてるみたいで、これはこれ…

...and his mother called him Bill - Duke Ellington

多人数のバンドを引っ張っていくのには、きっちり真面目にやるということ以上に、カリスマというやつが必要なのだろうか。どうなんだろう。なぜ急にそんなことを思ったのかといえば、今自分自身がおかれている状況というのがまさにそれ*1だからなのです。人…

SaGa Frontier2 Original Soundtrack - 浜渦正志

それまでのサガシリーズの伊藤賢治から変わって浜渦正志。ロマサガからやりはじめたサガシリーズにそれほど思い入れはなかったのだけれど、それでもやはり違和感のようなものを感じたのは覚えている。サガフロ2の音楽。 いや、伊藤賢治でないことというより…

紅白歌合戦

さて、今年も紅白歌合戦を家族で見ながら大晦日を過ごしたわけですが。はじめのうちは相変わらず「見ているこっちが恥ずかしい」というNHKの悪い面が前面に押し出されているかのように見えた紅白歌合戦ですが、それもいつしか感動へ。親子4人のうち3人が読書…

ピアノ協奏曲第3番 - バルトーク・ベーラ

クラシックの場合は演奏者と作曲者のどちらに重点を置くものなのかよくわからんのですが、とりあえずタイトルは上記のようにしておいて、何枚か聴いたことのあるなかでとりあえず現在持っているブーレーズによるピアノ協奏曲集をリンクとして選んでみました。…

Stellar Regions - John Coltrane

自分がつくりだせるものに限りがあることに気づき、ほんとうに実感を持つというのは、やっぱりひどくつらいものなのだろうか。 僕という人間が一生のうちに読むことのできる本や聴くことのできる音楽や見ることのできる映画やセックスすることのできる女性や…

Revenge! - Charles Mingus

ミンガスです。怒れる人チャールス・ミンガス。そしてミンガスといえば、やっぱりドルフィーとの競演盤なんだぜ! Peggy's Blue Skylight Orange Was the Color of Her Dress, Then Blue Silk Meditations on Integration Fables of Faubus So Long Eric Park…

ヤプーズの不審な行動 - ヤプーズ

戸川純という人は、いくらその人の作り出すものがものすごくてもやっぱりちょっと友達になれそうにないなあ、なんて人の典型例のような気がする。・・・そんなわけで今日はライブ盤「ヤプーズの不審な行動」。ヤプーズとしての代表曲がしっかり入っていて、特に…

山崎まさよし - HOME

HDD中の音楽ファイルをランダム再生して、最初にかかったその曲の入ったアルバムを評してみようという企画。苦手な1枚が出てきたときも無視してます。ランダムであるとは最早言えない。今回は山崎まさよしの言わずと知れたこの作品。 例のごとくそれほど山崎…

Perfume「ポリリズム」をめぐって

Pefumeの新曲「ポリリズム」、皆様もうお聴きになられましたでしょうか?もちろん僕はもうとっくに購入済です!いつ見てものっちはかわいいですね。というわけでまあ、聴いてまず、中田ヤスタカの引き出しの少なさをポリリズムという目くらまし*1で誤魔化し…

ザヴィヌルとわたくし

ジョー・ザヴィヌルが死んだらしい。75歳*1だというからそりゃまあ、あってもおかしくないこと。さすがに寂しいとかそういう感情がそれほど巻き起こるわけでもないが、なんだか少し不思議な感じがする。 ところで、僕はザヴィヌルの最高傑作は"In a Silent Wa…

Maher Shalal Hash Baz - Blues Du Jour

HDD中の音楽ファイルをランダム再生して、最初にかかったその曲の入ったアルバムを評してみようという企画。レビューが書けそうにないものが出てきたときにはなかったことにしてます。というわけで今日はマヘルの「今日のブルース」。 マヘル、などと軽々し…

Weather Report - Live & Unreleased

HDD中の音楽ファイルをランダム再生して、最初にかかったその曲の入ったアルバムを評してみようという企画。何がスウィートでソウルだというのか。というわけで第3回はWRのLive & Unreleasedなわけです。75年から80年まで*1のライブと未発表スタジオ音源をま…

M-Series - Maurizio

HDD中の音楽ファイルをランダム再生して、最初にかかったその曲の入ったアルバムを評してみようという企画。第2回。今回はBasic Channelで(一部の人に)おなじみ、Moritz Von Oswald と Mark Ernestus によるユニットの、これまたおなじみのM-Seriesを収めたC…

Speak Like A Child - Herbie Hancock

いやそれはレビュー違いだろうというのは置いといて、HDD中の音楽ファイルをランダム再生して、最初にかかったその曲の入ったアルバムを評してみようという企画。第一回はハンコックのこれ。何はともあれジャケットがロマンチックで、内容もそのジャケの雰囲…