UrbanGuitarSayonara

そういえば今年のGWになぜか東京へ一日だけ留まる用事があった。
両の手で数えられるくらいの回数しか訪れたことはなくて、そのときもほんの一日あるかないかの滞在だったんだけれども、この滞在で、いままでこの都市に対して感じてた漠然とした不信感みたいなものがなんとなくはっきりしたように思った。東京ってのは張り巡らされた鉄道網によって分断された都市なんだ、と。
電車(特に地下鉄)というブラックボックスに入ってある一定の時間待機した後に目の前に現れるのは、電車に乗る前に居た場所とは全く切り離された、独立した街であるような気がしてしまう。渋谷と原宿と駒場と代官山がこんなに近いだなんて(生粋の田舎ものの僕には)メトロに乗って移動ばかりしているうちにはちょっと信じられなかった。何度か実際に道を歩いて行き来してみなかったなら、今でも心のどこかで信じないままだったかもしれない。
線としてのエッジによる分断ではなく、もっと島っぽいイメージ。何もない、空白の、何かよくわからんものが広がってるなかで、僕にとって意味のある街だけがそのときに限って浮かび上がってくるイメージ。誰だったか東京は「ムラ」の集合体である、ということを言ってたけれど、それよりももっともっと希薄なイメージ。
こんなイメージはきっと、そこに住んでいる人なんかには鼻で笑われるようなものだろうし、僕自身実際に住んでみれば全く考えが変わるんだろうけれど。
そのときの僕はかなりはっきり、東京をそんなふうに感じていた。