戸川純と阿部和重について、具体的な話。

上のエントリの続き。
この「トライアングルズ」という短編、簡単に言うと、ストーカーが高じてお節介を焼くという話なんだけれど*1。つまりこれは、過剰な感情についてまずそれを抑えようとしたにもかかわらず、結局その感情が大きすぎたために抑えたそのてっぺんからぶち抜けてしまう、という構図なわけだ。外堀を埋めて埋めて埋めようとして、でもそれ埋めてるとこ堀じゃないんじゃない?みたいなイメージか。

それに比べて戸川純はと言えば、いきなり本丸に突っ込むわけだ。過剰な感情が出来たなら、それを抑えようとするのではなく、ぶつけた後に狙いを定めて、やっちまう。やっちまえると思ってしまう、そういう狂気。
Men's JUNANの歌詞なんてその典型である。これだけやっといて、最後に結局トレランスなあなたに抱きしめられるんである。

さすがにちょっとステレオタイプかなあ。

*1:というか簡単に言ったら何か分からんね