デス・プルーフ

はい,というわけでタランティーノ.本来は「グラインドハウス」ひとまとまりで見るものではあるらしいのですが,そこはまあ,ね.


まず,この映画は大まかにわけて前半と後半に分かれているのだけれど,そのどちらにしろほとんどがストーリー*1とは全く関係のないビッチな無駄話であるということに注意すべし.アメリカの田舎ってどこもほんとにこんな感じなのだろうか.
前半について言うならば,バタフライ役のヴァネッサ・フェルリトがどんどんかわいくなってゆくのはいったい何の魔法なんでしょうかということくらい.1時間後にようやく血しぶきをあげるそれだけのためだけにこんなにも引っ張ったのだと思っただけでムハムハな気分にならずにはいられない.
で,後半.男子ならば興奮せずにはいられないカーチェイスが展開されていくのだけれど,正義とか大義名分とかあったもんじゃないところが爽快きわまりない.かたや性欲のため,かたやその復讐のためだけであって,ここまで気持ちが軽いカーチェイスなんてちょっとほかでは見られない.男前すぎるスタントマンたち.


ほんとにもう,単純に面白いものだけを詰め込みましたといった趣で,それ「だけ」でこんなに楽しめる映画を作ってしまえるのはそりゃあもう才能としか言いようがありませんぜ.


しかし「怒りの葡萄」には笑った.

*1:あってないようなもんではありますが