Sun Raによるジャズ史試論 第0回

あなたはサン・ラを知っているだろうか?土星からやってきたと公言し、僕たちの知らないあらゆる音楽を演奏し、そして土星へと帰っていったひとりのミュージシャンのことを。

モダンジャズの歴史はマイルスとともにあった、なんてのはよく聞く話だし、僕だってその説には大いに賛成だ。マイルスだけ聴いていれば他のジャズなんて聴かなくてもいい、なんて言う人もいるくらいだから。マイルスが生きたのは1926年から1991年までの65年間、彼はいつもジャズという世界の先頭に立っていた。僕だって彼のことが大好きだ。

でも今回僕が話すのはマイルスのことなんかじゃない。サン・ラについてのお話だ。

サン・ラが地球に滞在したのは1914年から1993年までの79年間。マイルスがジャズのゴッドファーザーとして君臨し続けた時代をそっくりそのまま地球で生きている。その音楽活動はひどく対照的なものではあったけれど・・・彼の根底にもやはり、ジャズが流れていた。

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・・・慣れない口調でこんなくだらないこと書くのはやめにしましょう。
僕が今からやろうとしているのは、表題の通り、サン・ラの音楽を通してジャズの歴史をたどってみようというたぶん誰もやったことのない、おそろしく無謀な試みなのです。

まあ、誰もやるはずがないんです。彼ほどジャズという言葉の似合わないジャズミュージシャンもそうそういないでしょうから。

2

白状すれば、僕自身そんな試みがうまくいくだなんてこれっぽっちも思っていなかったりするんですけどね。

・・・でも、これくらい大きくでないと、みんなサン・ラのことになんて興味持ってくれないでしょ?

世の中のサン・ラ好きの人たちはシャイな人ばかりだから、なかなかそれを人に教えようとしない。こんなに面白い音楽なのに、ちょっともったいなくない?
じゃあ、僕がやるしかないでしょう!


次回第1回はサン・ラの出生とジャズ黎明期について・・・の予定です、こうご期待!