みなさんお久しぶりです。おはこんばんちは(やっちまった感)!今日はいたく寒い一日でしたが、各地でお花見など催されていたようで、もしかすると皆様のなかにも「今日お花見行ってきたよ!」なんて方がいらっしゃるかもしれません。流行に敏感な青年であるところのぼくももちろん桜を見物しにひとりワンカップを飲んできましたので、その写真をすこしだけ皆様にもご覧いただこうとおもっています。
とはいってももちろんこの時期ですからそれほど盛大に咲いているというわけでもなく。ああ諸君あれが東京の空だ、夜の空さえ輝いて見えるのだ。まだ見ぬ未来都市がここに!そんな近所の公園、かじかむ手を躍起になって押さえながら、未来都市には緑が多いのねとロマンチックなおもいを慰めていました。
ワンカップを右手に持ち無駄に気取っているぼくはピントを合わせることもままなりません、手のブレもおさまりません。故郷のお父さん、お母さん、元気でいらっしゃいますか。泣きながら手を引かれ歩いた幼稚園の入園式のあの日、おふたりは想像できましたでしょうか。心のなかからたくさんのものが逃げていく春も近づいたこんな夜に、そのなにものかを堰き止めようと必死で公園を歩きまわるぼくのすがたを。
「ねかはくは花のしたにて春しなんそのきさらきのもちつきのころ」って、ちょうど今くらいのことなんですね。今年は3月30日が西行忌(釈迦入滅もこの日です)にあたるようですが、ほぼ望月であることにもぼくはほとんど気がつきませんでした、電灯はいつだって望月でした。
……
そんなどうしようもない僕に天使が降りてきました(走る君の髪で シャブで 揺れるたくさんの白い羽根)。
彼女はなにもないところに(恐い)あるはずのないもの(恐い)を見つけたのか(恐い)、そこ(恐い)から目(恐い)を離そうとしませんでした(恐い)。金色というよりも黄色(恐い)にうねる(恐い)髪は電灯に(恐い)てらされててらてらと(恐い)光り(恐い)、肌は(恐い)あわだち恐い
深淵に覗きかえされている!!!
……
人魚姫は天使ではありませんでしたので、もうすこしぼくは歩きまわりました。飲みおわったワンカップが邪魔でしかたがありませんでした。ちかくのトイレはすこしくさかったです。酒を飲んで煙草も嚥んだぼくもすこしくさかったのでしょう。人はほとんどいませんでした。昼間はここらもにぎわっていたようです。日本人の多くは散りぎわのあるいは散ってしまった桜を愛でますが、いまはまだつぼみあるいは咲きかけの花を愛でる方も、そしてなかには非実在蕾を愛でる方もいらっしゃると聞いております。一種の国家的変態ですね。
お客さまのなかにぼくの手をひいて強引に花見につれていってくれるガールはいらっしゃいませんか?ぼくはもう危篤状態です!もう助かりません!さようなら!!