スタブ

京都大原三千院を訪れました、というお話。
人生2度目だったわけですが、なんとなく気になったことがいくつか。

  • 絵巻物に見られる、時間と空間がともに移り変わっていく感覚というのは、今の日本ではいつの間にか廃れてしまっているようにみえる。絵巻物でなくたって、洛中洛外図屏風などを見れば、空感と時感の誤魔化しかたの大胆さに驚かされる。
  • 仏教美術のあのどぎつい色彩というのもおんなじだ。侘び寂びはそりゃあみんな好きなんだろうけれど、その一方で極彩色なんてものが見向きもされなくなったのは、なんだよ、やっぱり千利休のせいだって言うのか。
  • 能なんてものに馴染みはないんだが、庭園の木の葉がかすかに風に揺れているのを見てはっとしたこの気持ちは、なんだかそこに通じているように思えた。

考えてほじくってみたらもうちょっと面白いかもしれんな。

それにしても僕はやっぱりこういう、高い杉の木の間を通り抜けていけるような境内が好きみたいだ。