ナクソスの日本作曲家選輯シリーズがすごく安い。他にも芥川也寸志とか松平頼則とか黛敏郎とかもちろん武満徹とかいろいろ出ているし、内容も他ではあまり聴けなさそうなものばかりなのでつい何かのついでにと買ってしまう。今アマゾンで調べてみたらかなり品切れだったのだけれど、最寄りのタワレコにはしっかり置いてあったので、意外といろんなところにまだ残ってるんじゃないだろうか。そんな中で今日は伊福部昭。
ゴジラの音楽を手がけたことでも有名な(というか僕の中ではほとんどそれ以外のイメージのない)伊福部昭なのだけれど、その唯一の交響曲らしいのが、この「シンフォニア・タプカーラ」。土俗的な雰囲気の旋律が、激しいリズムとともにあるいはゆっくりと荘厳に、執拗に繰り返される繰り返される繰り返される。バルトークにしてもそうなんだけれど、僕はどうやらこの手の民族的な力強い雰囲気にすごく弱いみたいです。
YouTubeに第三楽章があったので、とりあえず聴いてみたらよいと思うのです。
この「タプカーラ」というのはアイヌの伝統的な舞踏様式のひとつらしいのですが、こういうのを見ていると「人間ってのは昔から踊るのが大好きだったんだなあ」なんてしみじみと感じます。
よく考えてみたらすごいことだと思うんですよ、音と身体の動きを同期させようという発想って。これが世界中どこを見ても、どんな文化にだって存在すること。これってちょっとした奇跡じゃないですか。明確な拍子が存在しない場合も含め、音楽における時間的要素をひっくるめて「リズム」と呼ぶならば、このリズムってのはそうやって人間のいるところならいつでもどこにだって存在するだけに、旋律や和声以上に一般の人に軽く見られがちで*1、しかしそういった身体的な要素までかんがえればそれら以上に試行錯誤しがいのある、面白くそして楽しい要素だと思うのです。*2
とりあえずこれでも読んでみるかなあ。と。